ほぼ日[3560]は「ほぼ日手帳」で知られる会社で、ユニークな株主優待を用意していることで投資家から注目されています。
株価は安定感があり、財務面も健全なので、長期的に安心して保有できる銘柄です。
一方で、優待は毎年違う商品が届く楽しみがあり、数字以上の価値を感じられるのが特徴です。
短期で大きな利益を狙うには向きませんが、長く株を持ちながら会社を応援し、優待を楽しみたい人にはぴったりの投資先です。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
14.7倍 | 1.57倍 | 69.7% | 9.1% | 0.00倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
約5.4% | 約2.7% | 約2.7% | 8月 | 334,500円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
財務が安定しており安心して長期保有できる銘柄です。株価はやや割高で成長性には限界が見えますが、健全な経営基盤を持ち、倒産リスクは低いと考えられます。株主優待は毎年異なるオリジナル商品が届き、数字以上の楽しみを味わえるのが特徴です。短期的な値上がりを期待する人には不向きですが、会社を応援しながら優待を楽しみたい長期投資家にとっては魅力的な選択肢になります。 |
株主優待情報

株主優待の内容
株式会社ほぼ日は、年に一度、8月末を基準日にして100株以上保有している株主に対して、数種類の“ほぼ日”商品から一つ選べるオリジナル優待品を贈呈しています。
応募多数の場合は、抽選形式となる場合もあります。
例年、限定色の「ほぼ日手帳 HON」や「ほぼ日手帳」優待カバー、「百人一首」セット、タオル、エッセイや書籍など、毎年異なる魅力あるアイテムが用意されています。
優待の例 | 内容のイメージ |
---|---|
限定カバー付きほぼ日手帳 | ユニークなデザイン・文庫本スタイル |
カレーセット | オリジナルの味わい、日常使いに楽しい一品 |
ほぼ日のアースボール | インテリアにもなる地球儀型デザイン雑貨 |
タオル(ハンド/バス) | 実用性が高く、肌触りの良い定番品 |
百人一首+書籍セット | ゲーム要素+知的好奇心に応えるセット |
5年手帳 | 長期使用に向いた継続型手帳 |
洗顔料セット | 日常的に使えるスキンケア商品 |
権利確定日と有効期限
権利確定日は毎年8月末日で、たとえば2025年は「2025年8月29日(金)」が確定日で、権利付き最終日は「2025年8月27日(水)」となっています。
項目 | 内容 |
---|---|
優待の種類 | 数種類の「ほぼ日商品」から1点を選択(限定色の手帳、書籍、タオルなど) |
優待対象株主 | 8月末日現在で1単元(100株)以上を保有する株主 |
優待の頻度 | 年1回(8月末) |
申し込み〜発送時期 | 優待案内は11月上旬に発送、実際の商品は12月上旬に届く予定 |
応募方式 | 多数応募時は抽選となる場合あり |
特長・魅力 | 毎年内容が変わり、手帳や雑貨など選ぶ楽しみがあり、届くのを楽しみにできる優待 |
会社情報

株式会社ほぼ日は、1979年12月24日に設立された会社です。
本社は東京の千代田区神田錦町にあり、その1階には“TOBICHI”という名前の店舗兼ギャラリー兼イベントスペースがあります。
また、京都には“TOBICHI京都”、東京・渋谷PARCOには“ほぼ日曜日”という店舗もあり、そこで実際に商品を見たり触れたりできます。
ほぼ日は主にインターネット上で「ほぼ日刊イトイ新聞(通称:ほぼ日)」というウェブサイトを運営しています。
そのほか、「ほぼ日手帳」や「ほぼ日のアースボール」など、自分たちでデザインした文房具や雑貨を企画・開発して販売しています。オンラインの「ほぼ日ストア」で買えるほか、卸し先にも商品を提供しています。
また、「ドコノコ」という犬や猫の写真を投稿するSNSアプリを運営しています。
これはペット好きな人たちが写真を楽しめるサービスです。
さらに、「生活のたのしみ展」といった、ほぼ日の世界観を体験できるイベントの企画や運営も行っています。
これらのイベントはファン同士が交流したり、新しい発見ができたりする場になっています。
株式については、東京証券取引所のスタンダード市場に上場しており、証券コードは3560です。
このように、株式会社ほぼ日は、ウェブコンテンツや文房具の企画・販売、リアルな場所でのイベント運営、アプリの運営など、多様な方法で日々の「たのしさ」を届けている会社です。
お客さんと直接つながることを大切にしながら、インターネットとリアルの両方で活躍しています。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
ほぼ日の株価を長い目で見ると、会社の成長に合わせて少しずつ値を切り上げてきた歴史が見られます。
短期的には上下の波があるものの、20年という長い時間軸では一方的に下がり続けているような銘柄ではなく、一定の水準を維持していることがわかります。
株式投資をする際に大事なのは、短期的な株価の上がり下がりに一喜一憂するのではなく、会社の本質的な力を見て判断することです。
その点でほぼ日は、急成長するような派手さはない一方で、安定的に事業を継続してきた実績があると言えます。
会社の資産の安定性を示す自己資本比率はかなり高い水準にあり、財務的にはしっかりとした基盤があります。
借金に頼らずに経営ができているというのは、景気の波や不況が訪れてもある程度の耐久力があるということを意味します。
こうした強さは、長期投資において安心感につながります。
一方で、株価指標を見たときに利益に対して株価が割高に評価されている印象もあります。PERはやや高めであり、投資家が将来の成長をある程度織り込んで株価を形成していることがわかります。
PBRについても比較的高めで、帳簿上の資産以上に市場が企業価値を評価している状況です。
つまり、投資家の期待値が反映されているということです。
これは裏を返せば、今後大きな成長がなければ株価が伸び悩む可能性もある、というリスクを含んでいます。
収益性の面を見ると、ROEは標準的な水準にあり、株主の資本を活用してそれなりの利益を出せています。
ただし、爆発的に利益を生み出しているわけではなく、着実な収益を積み重ねている程度です。
これは堅実ではあるものの、株価を大きく押し上げる原動力としてはやや弱いとも言えます。
信用取引の倍率は低い水準にあり、投機的な資金が集まりにくい銘柄だと考えられます。
短期的な派手な値動きは期待できない反面、過度に空売りや買い残に振り回されるリスクは少ないということです。
総合的に考えると、ほぼ日は財務的に安全で、経営基盤が安定している点は大きな強みです。
一方で、株価はやや割高に評価されており、今後の成長力に対する投資家の期待が含まれています。
急激な成長を求める投資家には向きませんが、安定した企業を長期的に保有し、堅実に株主優待や配当を得ながら付き合っていきたい人には一定の魅力があります。
投資おすすめ度としては、中立的な位置づけになります。
積極的に買い進めるほどの強い成長性は見えにくいですが、安全性を重視した長期投資家にとっては「保有を検討する価値はある」銘柄です。
長期保有を前提にして、株主優待や配当を受け取りながらゆっくり付き合う、そうしたスタンスに合う投資先だと考えられます。
株主優待にみる分析
ほぼ日の株主優待は、毎年8月末に100株以上を持っている株主に対して、自社の商品から好きなものを選べるという内容になっています。
対象となるのは、限定の手帳や特別なデザインのカバー、オリジナルの雑貨、書籍、タオルなどで、毎年違ったアイテムが用意されるのが特徴です。
多くの企業が優待で金券や割引券を配布する中で、ほぼ日は「その年ならではのモノ」を株主に届けている点が大きな魅力です。
この優待は、単に金銭的な価値だけではなく、ファンとしての楽しみを味わえるのが大きなポイントです。
毎年何が届くのか、どんな新しい企画が用意されているのかを楽しみにできるのは、株主として特別な体験だと言えます。
こうした「ワクワク感」や「所有する喜び」が、株を持ち続けるモチベーションにつながります。
長期的に保有することで、優待の内容を毎年比べて楽しめる点も、ほぼ日株の特徴です。
利回りの面で見ても、配当はやや控えめではありますが、優待と組み合わせることで総合利回りは標準以上になります。
現金収入だけを重視する人にとっては少し物足りないかもしれませんが、優待品の価値を含めて考えると決して悪い条件ではありません。
特に、ほぼ日手帳を普段から愛用している人や、ブランドそのものに愛着がある人にとっては「実用的かつ楽しい」リターンになるはずです。
一方でほぼ日の優待は、毎年内容が変わるため、必ずしも自分の欲しいものがあるとは限りません。
実用性よりもコレクション性やファン心理に寄っているため、純粋に経済的なメリットを求める人には不向きかもしれません。
また、抽選になるケースもあるため、必ず全員が希望の商品を手に入れられるわけではない点も考慮しておく必要があります。
長期的に見ると、この優待は企業と株主の関係を深める役割を果たしていると言えます。
自社の手帳や商品を株主に届けることによって、株主が「お客さん」であり続ける関係を築くことができます。
これは企業にとっても株主にとってもメリットであり、結果として株を持ち続けやすい環境を作っていると言えるでしょう。
総合的に考えると、ほぼ日の株主優待は金銭的なリターンよりも「楽しさ」や「ブランドへの愛着」を重視する人に向いています。
配当と合わせた利回りはほどほどですが、商品を実際に手に取れるという特別な体験が長期保有の価値を高めています。
実用品として手帳や雑貨を使える点も日常生活での満足度を高める要因になります。
投資おすすめ度としては、単なる数字で判断するなら中立的ですが、ブランドファンや日常的にほぼ日手帳を利用する人にとっては大きな魅力があると言えます。
長期的に株を保有しながら毎年違う優待を楽しみ、会社の成長を一緒に見守るというスタイルに向いた銘柄です。数字よりも体験を重視する人にはおすすめできる投資先だと考えられます。
総合評価
ほぼ日の株は「安定した会社に安心して投資したい人」や「株主優待を楽しみたい人」に向いています。
大きなリターンを短期間で求める人には不向きですが、手堅く会社を応援しつつ優待を楽しむスタイルにぴったりの銘柄です。
数字面ではおすすめ度は中立に近いですが、ブランドのファンにとっては満足度が高くなる投資先だと考えられます。