ホットランドホールディングス[3196]は、たこ焼きで有名な「築地銀だこ」を運営する会社です。
全国のショッピングモールや駅ビルなどで見かける人気チェーンで、手軽に食べられるたこ焼きを中心に、たい焼き「銀のあん」やアイスクリームの「コールド・ストーン」なども展開しています。
株主優待では、これらのグループ店舗で使える「優待券」がもらえるため、普段から銀だこを利用している人にとってはとても使いやすい内容になっています。
20年の長期チャートを見ると、株価は緩やかに上昇しており、ブランドの安定感が感じられます。
ただし、株価水準はやや高めで、配当利回りも控えめです。
そのため、短期で利益を狙うというよりは、日常で優待を楽しみながらゆっくり保有するタイプの銘柄といえます。
総合評価は10段階のうち6で、「少し悩むけれど持っていて楽しい株」という位置づけです。
株式情報
| 割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
| PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
| 非常に高い | やや高い | 約41% | 良好(16〜17%) | 0.1倍前後 |
| 優待&配当 | ||||
| 総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
| 約2%前後 | 0.6% | 1〜1.5% | 6月・12月 | 約208,600円(100株) |
| 編集部おすすめ度 | 理由 |
| 優待の実用性は高く、築地銀だこなどで日常的に使いやすい銘柄。株価はやや割高で利回りは控えめだが、安定したブランド力と緩やかな成長を楽しむ長期保有には向いている。 |
株主優待情報

株主優待の内容
この企業の株主優待は、同社グループの飲食店舗(たこ焼き「築地銀だこ」をはじめ、酒場・たい焼き・アイスクリームなど)で利用できる「優待食事割引券」です。
保有株数に応じて、下記の通り優待券が得られます。表にまとめます。
| 保有株数 | 優待券年間合計額 | 備考 |
|---|---|---|
| 100株以上(100~499株) | 年間 3,000円相当(半年ごと1,500円) | 最小取得株数 |
| 500株以上(500~999株) | 年間15,000円相当(半年ごと7,500円) | 中規模保有時 |
| 1,000株以上 | 年間30,000円相当(半年ごと15,000円) | 大口保有時 |
優待券の利用店舗には、たこ焼き「築地銀だこ」、銀だこハイボール酒場、銀のあん(たい焼き)、コールドストーン(アイスクリーム)などがあります。
権利確定日と有効期限
権利確定日は、6月末日および12月末日です。
優待発行時期は、6月末基準分が9月頃発送、12月末基準分が翌年3月頃発送という案内があります。
有効期限については、各優待券の使用可能期間(発行後1年以内等)や一部店舗非対応の記載がありますが、特段の長期保有優遇(例えば3年保有で倍など)という制度は確認できません。
会社情報

ホットランドホールディングスは、主に「たこ焼き」のチェーン店を核に、関連する外食専門店事業を国内外で展開している企業です。
まず、主力ブランドとして「築地銀だこ」があり、カリッと揚げ焼きしたたこ焼きをテイクアウト/店内飲食で提供することで知名度を築いてきました。
そのほかにも、酒場スタイルの「銀だこハイボール酒場」「銀だこ酒場」など居酒屋風の業態も持っており、仕事帰りの利用や飲み会利用の需要も見込んでいます。
さらに、たい焼き専門「銀のあん」やアイスクリーム店「コールド・ストーン」などをグループで運営し、スイーツ・デザート用途の店舗展開もしています。
また、国内だけでなく、海外進出や新業態の開発にも力を入れており、「たこ焼き」を軸とした多角化を図っているのが特徴です。
店舗数について明確に「国内 × 店舗」「海外 × 店舗」という最新数値の公表は若干限られていますが、同社IRや証券資料によれば、全国主要都市・大型商業施設を中心に複数展開しており、複数業態を横展開していることが確認できます。
会社としての財務体質も、自己資本比率がおよそ40%台前半と、外食企業としては一定の安定性が見られます。
一方で、利益率・成長性にはやや課題が示されており、最近の決算では収益が伸び悩んでいるという報告もあります。
ホットランドは「全国チェーンのたこ焼き屋+スイーツ屋さん」を自分で運営して、優待でそのお店の割引券を株主としてもらえる会社です。
毎日のお客さんの「たこ焼き食べたい」「アイス食べたい」という気持ちを頼みにお店をつくっているというイメージです。 長く保有してお店利用もできれば、「株を持っていて良かったな」という気持ちにもつながる会社と言えます。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
現状この銘柄は「慎重に考えて保有可能」な水準ですが、より踏み込むにはもう少し条件が整うのを待つというスタンスが妥当だと考えます。
まず良い面として、同社のROEが比較的高く、株主資本を活用して利益を出す能力そのものは一定水準を保っています。
加えて、自己資本比率として“倒産リスク極めて高い”という段階ではないという意味では安心材料です。
そして、20年チャートを眺めると、2016年あたりからやや底打ち感が出て、2020年以降再び上昇トレンドに入ったように見え、長期で見れば「安定した山登り」が描けてきたという印象もあります。
ただし、警戒点も複数あります。
ひとつは、PERやPBRが市場平均・同業他社比からするとかなり割高に見える水準であることです。
特にPERが80倍台~90倍台という数値が出ており、期待込みの株価という印象を受けます。将来の成長がその期待に応えない場合、株価の伸びが限定されやすいリスクがあります。
さらに、配当利回りが非常に低く、株主として「配当目的で長期保有」という意味では魅力が弱いと言えます。
成長期待が明確に強い企業であれば割高でも許容されますが、外食産業という景気や消費動向の影響を受けやすい業種ということを勘案すると、「この成長が確実に継続する」という安心感はやや薄めです。
また、チャート上は確かに上昇トレンドですが、上げ幅も大きく、既に高値圏にいる可能性があり、「今からこの位置で大きく上昇を狙う」というよりは「ゆるやかな上昇+優待活用」が現実的なシナリオと考えます。
総じて今の水準で投資を始めるなら、まずは100株など少額で保有を始め、将来の成長・業績改善が確実に出てくるかを観察しながら保有を続けるという戦略が現実的だと思います。
優待情報から見る投資おすすめ度と根拠
次に株主優待という観点から「長期保有+優待活用」の視点で評価します。
こちらも総じて「優待目当てなら悪くないが、熱烈におすすめできる水準かというと少し物足りなさもある」という見方になります。
優待の魅力としてまず挙げられるのは、実用性が高いという点です。
たこ焼き「築地銀だこ」やたい焼き「銀のあん」、スイーツ「コールド・ストーン」など、日常や家族・友人との食事レジャーで使いやすいブランドが揃っており、株主として「持っていて楽しい」優待という印象があります。
しかも権利確定が年2回(6月・12月)ですので、年に2回使えるという点も保有メリットとしてプラスです。とはいえ、課題としては「利回りが高いわけではない」点です。
100株保有でも年間3,000円相当しか優待券が得られず、それを今の株価(約20万円)で割ると優待利回りがある程度に留まります。
加えて配当利回りも低いため、株主優待単独で「優待目的の長期保有銘柄」として期待するなら、優待券を頻繁に活用できるかどうかが重要となります。
たとえば、ご家族でお店をよく利用する、友人・家族を誘いやすい環境がある、近くに店舗が充実しているという方にとっては「価値あり」の優待です。
逆に、あまり利用機会がない、店舗が遠い、たこ焼き・スイーツ利用頻度が低いという方には、実質的なメリットが薄く感じられるかもしれません。
また、優待目的で保有していても、株価変動リスクや業績悪化リスクは外食企業ならではの景気・消費動向変化の影響を受けるため、優待だけで安心というわけではありません。
長期的には、優待を「楽しく使えるかどうか」と「株価成長も見込めるかどうか」を両方見据えることが重要です。
したがって、優待目的であっても「保有株数を少なめにしつつ、株価・業績の反転シグナルを待つ」という戦略が安心です。
総合評価
株式情報と優待情報を両方見たうえで、ホットランドホールディングスは「長期保有+優待活用」の狙いとしては条件付きで適格な銘柄だと言えます。
具体的には、たこ焼き・スイーツブランドを実際に利用する方、ご家族や友人との食事機会が多い方、店舗にアクセスしやすい方にとっては、優待価値を享受しながら保有を楽しめる可能性があります。
一方で、「株価成長だけを狙いたい」「配当目的で安定収入を得たい」という目的なら、現状の割高感や低配当を考えると別銘柄を検討するほうがリスク・リターンのバランスが良いかもしれません。
ゆえに、保有するなら「少額スタート+優待活用しながら業績改善を待つ」姿勢が私のプロ視点では現実的です。

