カワサキ[3045]という会社の株は、あまり知られていないかもしれませんが、長い目で見てコツコツと成長してきた安定感のある銘柄です。
おしゃれなタオルやバッグをつくっているだけでなく、倉庫を企業に貸したり、ホテルを運営したりと、いろいろな事業でしっかり利益を出しています。
そんな会社の株を持っていると、毎年2回、ネットショップの割引券やホテルの優待券がもらえるので、ふだんの生活にも役立ちます。
配当金もあわせて利回りが高く、長く持ち続けることでしっかりとリターンが期待できる、おすすめの銘柄です。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
10.6倍 | 0.55倍 | 68.4% | 5.4% | 0倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
7.48% | 3.4% | 4.08% | 2月、8月 | 147,000円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
毎日の買い物に役立つ優待があり、地域に根ざした安定した会社です。株価も長い目で見るとゆるやかに伸びていて、安心して長く持ちやすい特徴があります。「生活に使えて、ムリなく育てられる株」を探している人には、おすすめできる銘柄です。 |
株主優待情報
株主優待の内容
2025年2月から、優待制度が再開・刷新されました。
年2回、オンラインショップと自社ホテルで使える優待券が贈られます。
保有株数 | オンラインショップ割引券 | ホテル宿泊優待券 | 合計相当額(年2回) |
---|---|---|---|
100株以上 | 1,500円分×年2回 | 1,500円分×年2回 | 3,000円分 |
300株以上 | 5,000円分×年2回 | 4,500円分×年2回 | 9,500円分 |
優待券は、自社のオンラインショップ(レイクアルスター、アルテモール)での買い物や、ホテル レイクアルスター アルザ泉大津での宿泊に利用できます。
以前の自社製品(ハンカチなど)の贈呈から、実用性の高い金券スタイルに変更され、使い勝手が向上しました。
権利確定日と有効期限
項目 | 内容 |
---|---|
権利確定日 | 毎年2月末日・8月末日(年2回) |
優待発送時期 | 2月末分:5月頃 / 8月末分:11月頃 |
有効期限 | 発送時に同封される案内に記載(目安:約半年〜1年) |
優待は中間報告書や株主総会招集通知に同封されて届きます。
利用には有効期限があるため、必ず券面や同封資料をご確認ください。
会社情報

株式会社カワサキは1971年に創業された、大阪・泉北郡忠岡町に本社を置く企業です。
主に高級シェニール織タオルや婦人向け雑貨の企画・製造・販売を行っており、自社ブランドとして「レイクアルスター」や「アルテモール」を展開しています。
服飾事業では、タオルやバッグ、ハンカチなどの日用品を扱い、百貨店や専門店を通じて消費者に届けています。
卸売業として国内はもちろん、中国、台湾、フィリピン、インドネシアなど海外にも生産基盤を持ち、外注による製造と卸売により世界各地に製品を提供しています。
また倉庫賃貸事業にも力を入れており、大阪府内に約20棟の倉庫を保有し、物流面でも安定した収益を得ています。
ホテル事業としては、大阪・泉大津市に「ホテル レイクアルスター アルザ泉大津」を運営し、自社ブランドと連携したサービスを提供しています。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
チャート全体を一言で言えば、「低迷期を経て、10年以上かけて力強く回復・上昇してきた銘柄」です。
まず2006年の上場直後には、高値をつけたものの、その後すぐに急落しています。
2009年頃までは下落トレンドが続き、300円台まで下がりました。
この時期は上場後の失望売りやリーマンショックの影響を受けた典型的な低迷期です。
しかし、2010年から2020年にかけての約10年間は、じわじわと下値を切り上げる形での緩やかな回復期となっています。
この期間は500円〜800円台のボックス圏を形成しつつ、上昇と調整を繰り返しながら、株価が徐々に力をつけていったことがわかります。
大きな転換点は2020年〜2021年です。コロナ禍の影響も一時受けましたが、むしろそれ以降の株価は力強く反転
2021年には1,000円を明確に上抜け、2022年〜2024年にかけては1,200〜1,500円のレンジで安定推移するようになりました。
チャート全体として「山あり谷あり」ではありますが、30年を通じては明らかに右肩上がりの成長を続けていることがわかります。
特に注目すべきは、株価が安定して1,200円以上を保っている点で、2010年代の600〜800円のレンジとは完全に別のフェーズに移行したと見て良いでしょう。
一時的に急騰するような成長株とは違い、長年低位に放置されていた割安株が、ようやく適正に評価されるようになった銘柄という位置付けが非常にしっくりきます。
今後、過去のような激しい値動きは少ないかもしれませんが、この水準を下値支持線として、じわじわと配当と優待で利益を積み上げていく「堅実型の長期保有銘柄」として十分に魅力的です。
以上のチャート分析から、短期的な価格の上下に一喜一憂する必要はなく、あくまで「コツコツと株主リターンを享受しながら保有し続けるのにふさわしい銘柄」と評価できます。
株主優待にみる分析
カワサキ(3045)の株主優待は、内容・使い勝手・利回りのバランスがとても良く、長期保有を前提とする投資家にとって魅力のある制度となっています。
保有している株主は年間2回、それぞれ1,500円〜5,000円相当のオンラインショップ優待券と、同額程度のホテル優待券を受け取れます。
優待利回りは東証スタンダード上場銘柄の中でもかなり上位に入る部類です。
さらに、優待の中身も実用的です。
オンラインショップでは、自社ブランド「レイクアルスター」や「アルテモール」の高品質なタオルや雑貨など、幅広い商品を選ぶことができます。
株主優待でありがちな“在庫処分的な福袋”ではなく、通常の商品購入に使える金券形式であるため、好みに合わせて使いやすいのが大きなポイントです。
加えて、もう一つのホテル優待券も注目に値します。
大阪・泉大津にある「ホテル レイクアルスター アルザ泉大津」で利用可能で、出張や観光のついでに活用することができ、日常生活の中で体験型の恩恵を受けられる優待です。
地方在住者にはやや利用ハードルがあるかもしれませんが、使わなければオンライン優待だけでも十分にお得感があります。
優待制度には“改悪リスク”がつきものですが、カワサキはかつて自社製品の贈呈から制度を見直し、現在のような「選べて使える」形に変えた経緯があります。
つまり、廃止ではなく、使いやすく改善してきた会社であるという点は、長期保有における安心材料の一つです。
また、優待の発送時期が年2回に分かれていることも、年間の楽しみを分散できる仕組みとなっており、株主に寄り添った姿勢が見て取れます。
このように、優待の内容、利用のしやすさ、制度の継続性、そして利回りの高さという点から考えると、カワサキの株主優待は「持ち続けることで確実に得を積み上げられるタイプの優待」と言えます。
短期での売買を目的とするには向かないかもしれませんが、家計に役立つ実用性と、精神的な満足感を両立した優待内容であることから、長期保有を前提とした株主にとっておすすめできる内容となっています。
総合評価
カワサキは株価の安定感・事業の広がり・優待の実用性・利回りの高さといった、長期投資に必要な要素がしっかりそろった銘柄です。
短期間で大きな利益を出すようなタイプの株ではありませんが、時間をかけてじっくり資産を育てたい人にはぴったりの1銘柄だと言えます。
とくに優待を楽しみにしながら、お得に長く保有できる点は、これから投資を始める人にもおすすめできるポイントです。