ケイティケイ[3035]は、名古屋を拠点にオフィス用品やリサイクルトナーを手がける会社です。
株価は大きく動きにくく、財務も安定しているため、長期で安心して持ちやすい銘柄といえます。
また、株主優待ではポイントがもらえ、食品や日用品など幅広い商品から選べる楽しさがあります。
配当と優待を合わせた総合利回りも悪くなく、生活を少し豊かにしてくれる魅力があります。
堅実に資産を育てたい人や優待を活用したい人にとって、ポートフォリオに加える価値のある銘柄といえるでしょう。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
約10.8倍 | 0.79倍 | 47.5% | 8.5% | 0.81倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
約3.46% | 約2.68% | 約0.78% | 8月 | 約380,400円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
株価の安定感と割安感をあわせ持ち、財務基盤も健全な企業です。配当と株主優待を合わせた総合利回りは3%台半ばとなり、長期保有でコツコツ資産を増やしたい投資家に適した銘柄といえます。大きな成長株ではないものの、毎年のインカムゲインと優待の楽しみを両立できる点が魅力です。 |
株主優待情報

株主優待の内容
ケイティケイの優待は「ケイティケイ・プレミアム優待倶楽部」の株主優待ポイント(1ポイント≒1円)です。
お米やブランド牛などのグルメ、スイーツ、飲料、銘酒、家電、体験ギフトなど5,000種類以上の商品から選べます。
自社グループのリサイクルインクなども選択でき、社会貢献活動への寄付にも充当可能です。
下表は保有株式数と進呈ポイントの早見表です。
長期保有の区分があるため、継続保有でポイントが増えるラインも押さえておくと使いやすいです。
保有株数 | ポイント | 長期保有(目安) |
600株以上 | 3,000pt | — |
700株以上 | 5,000pt | — |
800株以上 | 7,000pt | — |
1,500株以上 | 12,000pt | — |
2,000株以上 | 18,000pt | 1年以上:20,000pt |
3,000株以上 | 29,000pt | 1年以上:32,000pt |
4,000株以上 | 40,000pt | 1年以上:44,000pt |
5,000株以上 | 55,000pt | 1年以上:60,000pt |
ポイントは他社のプレミアム優待倶楽部と合算できるWILLsCoinへ交換可能です。
優待制度そのものは会社のIRページでも案内されており、選べる商品の幅広さが明記されています。
権利確定日と有効期限
権利確定日は毎年8月20日です。
対象は600株以上の保有で、株主名簿に記載されていることが条件です。
ポイントは翌年の権利確定時点で同一株主番号のまま600株以上を継続保有していれば最大1回まで繰越可能です。
名義変更や売却で株主番号が変わると繰越は失効します。
交換申し込み期間は毎年の案内で指定され、直近の実績では秋から翌年初までの受付期間が設定されています。
申込方法や受付窓口は「ケイティケイ・プレミアム優待倶楽部」の会員サイトから確認・申し込みを行います。
会社情報

ケイティケイ株式会社は、1971年に名古屋で設立された会社で、リサイクルトナーやリサイクルインク・リボンといった再利用できるプリンター消耗品の製造・販売が主力事業です。
長野県や愛知県に自社工場を持ち、そこで商品を丁寧に作っています。
さらに、文具やOA機器、オフィス用品の販売も行い、事務所に必要なものをまとめて提供しています。
営業拠点は全国に広がっており、北海道から九州まで約20カ所にもおよびます。
名古屋の本社のほか、駒ヶ根市と春日井市には工場、さらに小牧市と駒ヶ根市に物流センターを構え、効率的な供給体制を整えています。
グループ会社も複数あります。
青雲クラウンは明治8年創業で、調達力が強い会社です。
キタブツ中部は物流を担い、大型在庫を管理しています。
SBMソリューションやエス・アンド・エスはIT機器や物流に強みがあり、それぞれの得意分野を活かしてグループとして事業展開しています。
会社の強みは、お値打ちで環境にもやさしい製品を長年積み重ねてきたことと、約15,000社との安定した取引関係、そして豊富な営業ネットワークです。
さらに最近はDX(デジタル変革)を支援するITソリューション事業にも力を入れ、事務所業務の効率化への対応力を高めています。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
ケイティケイの株式を長期的な視点から評価すると、まず感じるのは安定感と割安感のバランスが良いという点です。
株価水準は長期チャートで見ても大きな乱高下が少なく、過去10年以上の推移をならすと穏やかな横ばいからやや上向きの傾向が見られます。
これは中小型株の中では珍しく、急激に上がり下がりするリスクが小さいという安心材料になります。
一方で企業規模は大きな上場企業に比べると控えめで、時価総額も数十億円程度にとどまっています。
そのため市場全体の動きや資金の流入出によって株価が動きやすい側面はありますが、長期で構える投資家にとっては、割安な局面で仕込むことで配当と優待をじっくり受け取れるメリットが大きいです。
財務面では自己資本比率が高めで、40%台後半を維持しています。
これは借金に頼りすぎず、自前の資本で会社を運営している証拠であり、安定性を重視する長期投資家にとって重要なポイントです。
加えてROEは一桁台ながら安定しており、大きな伸び率はありませんが、確実に利益を積み重ねている姿勢が見て取れます。
PERやPBRを見ても水準は低めで、同業他社と比べても割安に放置されているといえるでしょう。
特にPBRが1倍を下回っている状況は、会社の資産価値からみても株価が過小評価されている可能性を示しています。
信用倍率も落ち着いており、過度な買い残や売り残が積み上がっていないため、需給のひずみから株価が大きく振れるリスクも限定的です。
配当利回りは2%台後半で、銀行預金と比べれば十分に魅力的な水準です。
さらに株主優待を加えると総合利回りは3%を超えます。
この数字は投資を続けながら毎年のインカムゲインを安定的に得られることを意味し、老後資金の形成や副収入として心強い存在になります。
もちろん短期的な視点では、大型株のように出来高が豊富ではないため、思った価格で売買できない場合もあります。
しかしこれは長期投資家にとってはあまり問題にならず、むしろ市場参加者が少ない分だけ、じっくり保有して果実を得る戦略に適しているともいえます。
全体を総合すると、ケイティケイは大きな成長性を期待する銘柄ではないものの、安定した配当と優待を受け取りながら着実に資産を育てられる銘柄といえます。
長期チャートが示す落ち着いた値動き、割安な指標、堅実な財務体質という要素は、ポートフォリオに組み込むうえで十分な安心材料です。
株主優待にみる分析
ケイティケイの株主優待は、ケイティケイ・プレミアム優待倶楽部という仕組みを通じて提供されます。
ポイント制になっており、株数に応じて毎年ポイントが付与され、そのポイントを使って食品やお酒、家電、雑貨など5,000種類以上の商品から選ぶことができます。
単なるカタログギフトとは違い、幅広い選択肢が用意されているため、年代やライフスタイルに合わせた使い方ができる点は非常に大きな魅力です。
さらに、同じプレミアム優待倶楽部を導入している他社の優待ポイントと合算できる仕組みがあります。
これは長期的に優待を活用していくうえでとても利便性が高く、毎年の楽しみとしても飽きにくい特徴があります。
例えば600株を持っていれば3,000ポイントが付与されますが、1,500株以上では1万ポイントを超えるなど、持株数に応じて大きな優待が得られます。
さらに1年以上の継続保有でポイントが増える仕組みもあり、長期的に株を持ち続ける投資家に対してしっかりと報いてくれる設計になっています。
こうした長期優遇制度は、企業側にとっても安定株主を増やす効果があり、投資家にとってもじっくりと資産を育てる動機づけになります。
また、優待ポイントは翌年まで繰り越すことも可能です。
これによって、すぐに使わずに貯めてから高額商品を選ぶといった楽しみ方もできます。
この自由度の高さがケイティケイの優待の強みといえます。
利回りの面でみると、優待を加えた総合利回りは3%台半ばに達します。
配当と合わせると、定期預金や国債よりもずっと効率的に資産を増やせる可能性があります。
特に長期で保有することでポイントが増えたり、繰り越しで大きな商品を狙える点は、投資を「資産形成」と「生活の充実」の両面で楽しめる工夫になっています。
もちろん注意点もあります。
優待の権利確定は毎年8月20日と決まっているため、その時期に株を持っていなければなりません。
また最低取得株数が600株からという点は、投資金額のハードルがやや高めに感じる人もいるでしょう。
ただし、株価水準が比較的低いので、数十万円程度の投資額で優待権利を得られることは他の優待銘柄と比べても手が届きやすい部類に入ります。
総合的に見ると、ケイティケイの優待は長期保有を前提にした投資家にとって非常に相性が良い制度です。
企業が安定経営を続ける限り、毎年確実にポイントを受け取れ、そのポイントを使って生活を豊かにできるという点で、株主優待の本来の魅力がよく表れています。
配当との組み合わせにより、投資妙味はさらに増し、安定的に楽しみながら続けられるのがケイティケイの優待投資の魅力です。
総合評価
優待生活を楽しみながら資産形成をしたい投資家にとっては、無理のない範囲でポートフォリオに組み込みやすい水準といえます。
大きな値上がり益を狙う銘柄ではありませんが、配当と優待を組み合わせて生活を豊かにしながら資産を育てられる、そんな堅実な投資先といえるでしょう。