ホームポジション[2999]株情報(株主優待・配当・おすすめ情報)

静岡県を中心に戸建て住宅を手がけるホームポジション[2999]

この会社は、最近になって株価が少しずつ上向いてきており、株主優待としてもクオカードがもらえることから注目されています。

でも、実際に投資するとなると、本当に長く持っても安心なのか?優待はお得なのか?

数字や制度の仕組みをじっくり見てみると、すぐに買っていいかどうか、少し迷うポイントもあります。

この記事では、株価の動きや会社の特徴、優待の内容をくわしく解説しながら、プロの視点で「おすすめ度」をしっかり評価していきます。

目次

株式情報

ホームポジション[2999]東証P
時価総額
約52.2億円

株価 558
※更新:2025年7月12日

ホームポジション[2999]5年チャート

5年チャートを掲載

割安度安全度値動き傾向
PERPBR自己資本比率ROE信用倍率
33倍0.96倍29.6%-18.2%0.00倍
優待&配当
総合利回り配当利回り優待利回り権利確定月優待最低取得額
5.37%1.79%3.58%8月558,000円
編集部おすすめ度理由
優待利回りの高さが一見魅力ですが、1,000株以上という取得ハードルの高さや、過去の制度変更履歴を考えると注意が必要です。また、業績や財務面ではまだ不安定さがあり、長期保有にはややリスクがともないます。現時点では、「将来の成長に期待しつつ、もう少し様子を見たい」銘柄といえるでしょう。

株主優待情報

株主優待の内容

ホームポジション株式会社では、株主優待として20,000円分のクオカードが贈られます。

対象となるのは1,000株以上を保有する株主で、優待は年1回です。

QUOカードは全国のコンビニ、書店、ドラッグストアなどで使用でき、非常に実用性が高い金券です。

現時点では、長期保有条件や段階的な優遇制度はなく、単純明快な「1,000株以上=20,000円分」という設計です。

以下に表でまとめます。

保有株数優待内容(QUOカード)
1,000株以上20,000円分

※100株や500株などの中途保有では、株主優待は受けられません。
※長期保有制度の記載はSBI上にはありません(2025年6月時点)。

権利確定日と有効期限

権利確定月:8月
優待権利付き最終日:2025年8月27日(次回予定)
発送時期:毎年11月頃と推測(公式明記なし)
QUOカード有効期限:なし(無期限)

関連記事:クオカードの特徴と使い方|株主優待でもらえる銘柄とメリットを徹底解説

会社情報

引用:ホームポジション

ホームポジション株式会社は、静岡県静岡市に本社がある住宅関連の会社です。

主に静岡県と愛知県を中心に、一戸建ての分譲住宅をつくって販売しています。

この会社の特徴は、「ちょうどいい価格」と「住みやすさ」にこだわった家づくりです。

高すぎず、でも安っぽくもなく、家族が安心して長く暮らせる住宅を提供することを目指しています。

住宅は土地選びから建物の設計、建築、販売まで自社で行っており、地域に根ざしたサービスを提供しています。

特に地元に住む人たちが家を持ちやすいよう、価格をおさえつつも機能性の高い住宅を開発しています。

たとえば、オール電化や太陽光発電、収納の多さなど、日々の暮らしやすさに直結する工夫がされています。

また、販売の仕組みとしては自社ブランドの住宅を分譲形式で展開しています。

販売エリアは現在、静岡県・愛知県・三重県など中部地方を中心に展開しており、東京など大都市圏には進出していません。

このように、地域密着型で経営しているのがホームポジションの特徴です。

最新の情報によると、年間の販売棟数はおよそ500~600棟ほど。

拠点数は十数店舗ほどと、決して大きな会社ではありませんが、着実に地域のニーズに応えながら成長しています。

また、ZEH(ゼッチ)対応住宅の普及にも取り組んでおり、環境配慮型の家づくりにも力を入れています。

住宅業界は景気や金利の影響を受けやすい業種ですが、ホームポジションはローコストで堅実な販売を続けることで、不況時にもある程度の安定性を持っているといえます。

また、土地の仕入れから販売までを一貫して行うビジネスモデルは、利益を出しやすい構造にもなっています。

編集部からのおすすめ情報

編集部のおすすめ:

株式情報にみる分析

ホームポジションの株価チャートを長期で見ると、2022年をピークに一時は下落トレンドに入りましたが、2024年後半からは持ち直しの兆しが見え始め、2025年にかけて株価が再び回復しています。

5年チャートで見ると、乱高下がありながらも、一定のレンジ内で推移している印象です。

つまり、急成長する銘柄ではないものの、地元密着型の堅実なビジネスモデルをベースに、景気や金利環境次第では見直される余地もあると感じます。

財務的な指標を総合的に見ると、PER(株価収益率)は高めで、利益に対して株価が割高である印象を受けます。
これは、おそらく一時的な赤字や利益の落ち込みが影響していると考えられます。

PBR(純資産倍率)は1倍前後で、企業の解散価値とほぼ一致する水準にあります。

これは割安とは言えませんが、資産面での安心感はそれなりにあります。

一方で、自己資本比率は30%未満と低めで、ROE(自己資本利益率)もマイナスという点は気になります。

つまり、現状では収益力が低下しており、経営効率もあまり良くない状態です。

信用倍率はほぼゼロで、信用買い残もほとんど見られません。

これは、個人投資家などの人気が集まっていないことを示しており、需給面ではやや不利に働く可能性があります。

全体として、短期的な株価回復が見られる一方で、業績や財務の不安定さを考慮すると、長期投資としては慎重な姿勢が求められます。

とくに、住宅関連業は景気や金利の影響を受けやすく、政策次第で業績が変動することも多いため、構造的にボラティリティのある業種です。

結論として、現時点での投資評価は「やや慎重」です。

業績回復が明確になれば評価が変わる可能性はありますが、今はまだその兆しがはっきり見えていない状況です。

株価が安いからといって安易に手を出すのではなく、財務と収益力の改善が見られるまでは様子見とするのが妥当だと判断します。

株主優待にみる分析

ホームポジションの株主優待は、1,000株以上の保有者に向けて、年1回20,000円分のクオカードを贈るというシンプルな制度です。

これを聞くと、いっけん「すごくお得」と感じるかもしれませんが、実際に投資家として冷静に判断すると、評価は少し変わってきます。

まず、優待利回りの面から見てみると、数字としては決して悪くありません。

ただし、これは最低取得単位が1,000株という「ハードルの高さ」を前提にした利回りです。

他の企業では、100株や300株で優待がもらえるケースが多いため、優待目的で投資する人にとっては資金拘束が大きくなります。

つまり、「使い勝手の悪い優待設計」と言えるでしょう。

さらに注意すべきは、過去に優待制度が変わっている点です。

以前は100株保有でもQUOカードがもらえた時期がありましたが、現在は1,000株以上に引き上げられています。

このような制度変更があると、将来的に「廃止」や「条件のさらなる改悪」が起こる可能性もゼロではありません。

また、もらえるQUOカードは全国のコンビニやドラッグストア、書店などで使えるため、優待品としての実用性は非常に高いです。

現金同様に使えるという点ではメリットは大きいです。

ただし、20,000円分のQUOカードをもらうために50万円以上の資金を1社に投じることが、長期投資全体として適切かどうかはよく考える必要があります。

私自身、長期保有を前提に優待を重視している投資スタイルですが、「生活密着度」「利便性」「資金効率」「制度の安定性」という4つの視点で見るようにしています。

ホームポジションの優待は、生活密着性・利便性は合格点ですが、資金効率と制度の安定性には課題があると感じます。

とくに1,000株が最低ラインというのは、一般の個人投資家にとって大きな壁です。

したがって、優待内容だけを見ると魅力的に見えるかもしれませんが、投資効率や制度リスクを加味すると、「積極的におすすめ」とまでは言い切れません。

他にもっと優待利回りが高く、100株から手軽に始められる銘柄がある中では、中級者以上のポートフォリオの一部として、分散投資の一環で組み込むレベルが妥当だと思います。

総合評価

ホームポジションの株は、現在の株価が少しずつ回復してきている段階にあります。

2022年にかけて高値をつけたあと、2023年から2024年は下落傾向でしたが、2025年に入り再び上向いてきました。

この流れだけを見ると、「上がりはじめた今がチャンスかも」と思いたくなるかもしれません。

けれども、企業の中身をじっくり見てみると、まだ課題が多くあります。

たとえば、利益の出し方にブレがあったり、自己資本(会社の体力)が弱かったり、株主への利益の還元(配当)も多くはありません。

そういった会社を、長い目で10年・20年と持ち続けるには、それなりの根拠や将来性が必要です。

これらをふまえると、ホームポジション株は「ちょっと良さそうに見えるけれど、まだ買いには早い」と感じます。

長期保有でじっくり資産を育てたい方には、今の時点では他にもっと安定感や優待効率のよい銘柄があると思います。

将来への期待を込めて「監視リストに入れておく」というのが、今のホームポジション株にちょうどよい距離感でしょう。

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