STIフードホールディングス[2932]は、水産食品の製造・販売に強みを持ち、セブン-イレブンなど大手コンビニへの供給実績を背景に安定した成長を続けてきた企業です。
本記事では、株価推移や財務指標、成長戦略から見た中長期的な投資価値に加え、実用性の高い株主優待の魅力についても詳しく解説します。
優待利回りのみに頼らない、企業とのつながりを重視した投資スタンスに価値を見出す方にとって、本稿は銘柄選定の参考となるはずです。
長期保有を前提とした実践的な視点から、STIフードホールディングスの“今”と“これから”を読み解きます。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
13.1倍 | 2.7倍 | 41.8% | 21.3% | 0.00倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
4.0% | 3.2% | 0.8% | 12月(優待) 6月、12月(配当) | 126,400円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
総合的に判断すると、STIフードホールディングスは安定した配当と独自の株主優待を通じて、長期的な資産形成を目指す投資家に適した銘柄といえます。 しかし、食品業界は景気変動や消費者の嗜好変化の影響を受けやすい側面もあるため、企業の業績動向や市場環境の変化なども総合的に判断することが重要です。 |
会社情報

STIフードホールディングスは、1988年12月1日に創業された水産食品メーカーであり、資本金は10億4,837万5千円、グループ全体の従業員数は1,168名に上ります。
同社は、2020年9月25日に東京証券取引所第二部に上場しました。
水産原材料の調達から製造・販売までを一貫して行う体制を持ち、特にコンビニエンスストア向けの魚惣菜の製造・販売で知られています。
STIフードホールディングスは、国内外に複数のグループ企業を展開しています。
国内では、千葉県の株式会社STIフード、埼玉県の株式会社STIデリカ、福岡県の株式会社STIエナック、宮城県の株式会社STIミヤギ、静岡県の株式会社STIサンヨーなどがあり、各地域で水産惣菜や缶詰の製造・販売を行っています。
海外にも、アメリカのシアトルにSTI AMERICA Inc.、チリのプエルトモントにSTI CHILE S.A.を展開し、グローバルな事業展開を進めています。
同社は、セブン-イレブンの全国約22,000店舗に供給可能な製造能力を有しており、工場ごとに得意分野や商品が異なるため、3温度帯(チルド、常温、冷凍)のどれにも対応できる製造体制を敷いています。
また、2024年11月には関西工場が新たに稼働予定であり、国内の安定供給だけでなく、新商品の開発やグローバル商品の展開にも力を入れています。
同社の主要なブランドとしては、以下のものがあります。
- STONE ROLLS:世界三大漁場と評される三陸沖を抱える石巻漁港で揚がる海の幸を原料に、現地の工場で生産する缶詰ブランドです。ブランド名は「石=STONE」と「巻=ROLLS」を組み合わせたものです。
- ichibi:レンジ調理でさらに美味しく、簡単に食べられる魚のおかずを提供するブランドで、厳選した素材と調味料によって、まるで出来たてのおいしさを実現しています。
- 燻肴(ibusa):厳選した魚を独自の製法で燻製し、風味豊かな味わいを提供するブランドです。
さらに、同社はペットフードの製造・販売も手掛けており、「たまの伝説」や「PAW’S GREEN DELI」といったブランドを展開しています。これらの製品は、余計な添加物や栄養剤を用いず、素材の良さをそのまま活かした自然な製法で製造されています。
STIフードホールディングスは、社員の幸せと社会のより豊かな未来のために、国内外の食料資源を大切にし、価値ある食文化創造の責任を果たすことをミッションとしています。また、「海の幸を、人の幸へ」という企業スローガンのもと、海への感謝と人への愛情を心に刻み、海の恵みを人の旨みに変えることを目指しています。
同社の企業理念には、「変革創造」「自主自立」「誠心誠意」「一致団結」が掲げられており、これらの理念に基づき、全従業員の人間性を尊重し、一人ひとりを大切に育む企業文化を築いています。
株主優待情報

STIフードホールディングスは、2021年3月より株主優待制度を導入しています。
株主優待の内容
対象となる株主様には、一律で3,000円相当の自社商品が贈呈されます。
具体的には、同社のオリジナルブランドである「STONE ROLLS」や「FIRE PORTS」の商品が優待品として提供されます。
- STONE ROLLS:宮城県石巻市の工場で生産される缶詰ブランドで、新鮮な地域素材を使用した商品
- FIRE PORTS:静岡県焼津市の工場で生産されるブランドで、びんながまぐろを使用したフランス風のパテ
これらの優待品は、株主優待限定パッケージで贈呈されるため、特別感があります。
権利確定日と発送日
毎年12月末現在の株主名簿に記載され、かつ100株以上を継続して1年以上保有している株主様が対象となります。
継続して1年以上保有」とは、6月末および12月末の株主名簿に、同一の株主番号で3回連続して100株以上の保有が記載または記録されていることを指します。
12月末日を基準日とする株主優待品は、翌年の3月下旬に発送される予定です。
注意点
株主番号が変更されると、保有期間がリセットされる可能性があります。
特に、「貸株サービス」を利用すると株主番号が変わることがあるため、注意が必要です。
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株式情報にみる分析
STIフードホールディングスは、上場時の株価は約1,200円でスタートし、その後、2024年10月16日には1,999円の高値を記録しました。
しかし、その後は同社の業績や市場環境の影響を受け調整局面を迎えています。
同社のROE(自己資本利益率)は高水準で、効率的な経営が行われていることが伺えます。
PER(株価収益率)は市場平均と比較して低めであり、投資家からの評価が比較的割安と見られている可能性があります。
水産食品の製造・販売を中心に事業を展開しており、特にコンビニエンスストア向けの商品供給に強みを持っています。
また、海外展開も積極的に行っており、アメリカやチリに拠点を持つなど、グローバルな事業展開を進めています。
これらの取り組みは、今後の成長性を期待させる要素となります。
水産食品業界は、原材料価格の変動や消費者の嗜好変化など、外部環境の影響を受けやすい業界です。
しかし、健康志向の高まりや和食ブームにより、水産食品の需要は堅調に推移しています。STIフードホールディングスは、高品質な商品開発や安定した供給体制を強みとしており、競争優位性を維持しています。
以上の点を総合的に考慮すると、STIフードホールディングスは長期的な投資先として一定の魅力を持つと評価できます。
株価は上場以来、上昇と調整を繰り返しながら推移しており、財務指標も健全性と効率性を示しています。
さらに、事業内容や成長戦略からも、今後の発展が期待されます。
ただし、食品業界は景気変動や消費者の嗜好変化の影響を受けやすい側面もあるため、投資を検討する際はこれらのリスク要因も考慮する必要があります。
投資家にとって、同社はポートフォリオに組み入れる価値のある銘柄と言えるでしょう。
ただし、投資判断を行う際には、業界特有のリスクや市場環境の変化を十分に考慮することが重要です。
株主優待にみる分析
STIフードホールディングスの株主優待は、12月末現在の株主名簿に記載された100株以上を1年以上継続保有する株主を対象に、自社ブランドの缶詰セット(3,000円相当)を年1回贈呈するものです.
同社は水産食品の製造・販売を手掛けており、その高い技術力と品質管理のもとで製造された缶詰を優待品として提供しています。
これにより、株主は自社製品の品質を直接体験でき、企業への理解と愛着を深めることができます。
さらに、缶詰は長期保存が可能であり、非常食としての役割も果たします。
また、缶詰セットを優待品として株主が商品を試すことで、口コミやリピート購入につながる可能性があります。
STIフードホールディングスは優待利回りに期待する銘柄というよりも、優待を通じて企業の商品を体感し、愛着を持つことが目的といえるでしょう。
総合評価
総合的に見て、STIフードホールディングスは、財務健全性・収益力・成長性に加え、安定した配当と実用的な優待制度を併せ持つ銘柄です。
優待利回りだけで見るとやや物足りなさもありますが、長期的な事業展望や収益性を評価するなら、ポートフォリオに加える意義は十分あるでしょう。
特に「応援できる企業に長く付き合いたい」と考える投資家にとっては、実需にも結びつく投資先となります。