セイヒョー[2872]は新潟で長く愛されてきたアイスや氷菓のメーカーです。
全国的な知名度は高くありませんが、地元では看板商品が広く知られています。
株価は大きく動くことが少なく、安定感のある銘柄です。
配当は少なめですが、自社製品が届く株主優待が魅力です。
長期的に保有しながら、ブランドの味と優待を楽しむ投資に向いています。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
29.2倍 | 2.26倍 | 42.4% | 8.9% | 0.00倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
1.64% | 0.78% | 0.86% | 8月 | 230,900円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
新潟発の老舗アイスメーカーで、安定感のある株価推移と堅実な財務が特徴です。配当は低めですが、自社製品の詰め合わせがもらえる株主優待は満足度が高く、特に商品のファンや地域ブランドを応援したい投資家に向いています。事業規模が大きくないため業績変動リスクはありますが、優待込みで評価すれば長期保有を検討できる銘柄です。 |
株主優待情報

株主優待の内容
毎年8月末現在の株主を対象に、自社製品の詰め合わせが贈られます。
保有株式数によって内容が変わり、アイスや氷菓など同社ならではの商品が届きます。
発送は毎年10月下旬〜11月上旬頃に行われます。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上500株未満 | 2,000円相当の自社製品詰め合わせ |
500株以上1,000株未満 | 3,000円相当の自社製品詰め合わせ |
1,000株以上 | 4,000円相当の自社製品詰め合わせ |
権利確定日と有効期限
優待の権利は毎年8月末時点で株主名簿に記載された株主に付与されます。
発送は10月下旬〜11月上旬頃に行われます。
有効期限の明記はありませんが、食品のため到着後は早めの利用が推奨されます。
権利確定日 | 発送時期 | 有効期限 |
---|---|---|
8月末日 | 10月下旬〜11月上旬 | 記載なし(到着後早めの利用) |
会社情報

株式会社セイヒョーは、大正5年(1916年)に製氷業からスタートした新潟の老舗企業です。
現在も新潟市北区に本社を構え、新潟県内でアイスクリームや氷菓(かき氷バーなど)の製造・販売を行っています。
代表的な商品には、「もも太郎」「金太郎」「ももえちゃん」「ビバオール」などがあります。
同社の売上の構成を見ると、2025年2月期には、アイスクリームが売上の約7割を占め、残りを仕入販売、和菓子、物流保管などが続いています。
このように、主に冷たいお菓子の商品を中心とした製造・販売が中核事業です。
また、工場は新潟県内に複数あり、新潟市の新潟工場、三条市の三条工場、佐渡市の佐渡工場でアイスや氷菓の商品を作っています。
さらに、冷凍倉庫を活用した保管事業も展開しており、マイナス25℃まで対応可能な冷凍倉庫と保税倉庫を備え、冷凍食品の保管・配送にも対応しています。
本社は新潟市北区にあり、営業部は新潟、佐渡、東京にも拠点があります。
製造拠点や物流拠点も新潟県内に整っており、地域密着型の展開を行っていることがわかります。
1916年の創業以降、製氷や冷凍倉庫事業、アイスや和菓子の製造販売へと事業領域を広げてきました。
昭和20年ごろにはかき氷バー「もも太郎」の製造をスタートし、その後和菓子の製造や東京営業所の開設などを経て現在に至ります。
さらに、企業としての思いも大切にしており、「安心・安全な製品を届ける」「創造的で活力ある会社を目指す」という企業理念を掲げています。
新潟に根差しながら、食を通じて信頼される存在であろうと努力を続けています。
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株式情報にみる分析
セイヒョーの株価は長期で見ると、安定したレンジで推移してきた時期と、業績や話題性によって上昇した時期がはっきり分かれています。
過去30年のチャートを振り返ると、急騰する局面は限定的ですが、下落の幅も比較的抑えられており、値動きの荒さは大手成長株に比べると控えめです。
これは同社が主力としているアイスや氷菓などの食品が季節需要はあるものの、景気に左右されにくい性質を持っていることが影響しています。
指標面を見ると、利益に対する株価の水準は高めで推移しています。
これは、地元ブランドとしての安定性や知名度、そして優待制度を維持している点が株価に織り込まれている可能性が高いです。
PBRは中程度で、資産価値から見れば極端な割安感はありませんが、財務は安定しており、自己資本比率も食品メーカーとしてはしっかりした水準です。
利益率は突出して高いわけではありませんが、ROEは安定的に推移しており、収益をある程度効率的に上げられています。
借入依存度も低く、信用倍率はほぼゼロのため、投機的な売買による株価変動リスクは小さいといえます。
こうした財務的な安定感は、長期保有を考える投資家にとって安心材料になります。
配当利回りは低めで、配当だけで投資妙味を感じる銘柄ではありません。
しかし、優待と組み合わせた総合利回りで見れば、保有メリットは一定程度あります。
優待は地元色の強いオリジナル商品で、実質的な価値を感じる株主も多く、株価の下支え要因になっています。
一方で、規模の小ささゆえに、売上や利益は天候や原材料価格の変動に左右されやすい面もあります。
また、大手アイスメーカーとの競争や、新製品開発にかかるコスト負担が収益を圧迫する可能性もあります。
そのため、株価が短期間で大きく伸びる成長株ではなく、あくまで地元ブランドの安定性を評価して保有する銘柄という位置づけになります。
総合的に見て、セイヒョーは長期的な安定保有に向く性質を持つ一方、配当によるインカムゲインを主目的とする投資には向きません。
株主優待を楽しみつつ、安定的に推移する株価と企業の持続性を評価する投資スタイルに合致します。
株主優待にみる分析
セイヒョーの株主優待は、金券や汎用商品券ではなく、自社ならではの商品が届く点に特徴があります。
実際に手に取って味わえる優待は、株主としての実感や満足感を高めてくれます。
特に地元で長く愛されてきた看板商品は、県外の株主にとっても希少性があり、優待の魅力を強めています。
利回りだけで見ると高水準ではありませんが、商品の実用性やブランド価値を考慮すれば、数字以上の価値を感じる人も少なくありません。
また、100株から受け取れる条件は、優待投資を始めたばかりの人にも参加しやすい魅力です。
長期的な視点で考えると、この優待は企業のブランド力や知名度と密接に結びついています。
優待制度が存続している限り、ブランドや味を支持する株主が安定して存在し、それが株価の下支えにもつながります。
この点は、単なる利回り銘柄とは違い、ブランドファンの存在が企業価値の安定に寄与する要素になっています。
ただし、食品という特性上、好みや嗜好によって優待の評価は分かれます。
また、原材料や物流コストの上昇が続けば、制度内容の変更や廃止のリスクも考えられます。
そのため、優待目当てで保有する場合でも、長期的に制度が維持されるかを時折確認しておくことが大切です。
総合すると、セイヒョーの優待は「数字より満足度を重視する投資家」や「ブランドや地域性を応援したい投資家」に適しています。
株価の大きな値上がりを狙うというよりも、ブランド価値と優待を楽しみながら保有するスタイルに向いた銘柄といえます。
総合評価
セイヒョーは急成長を狙う銘柄ではなく、安定感とブランド価値を評価しながら優待を楽しむ投資スタイルに適しています。
評価としては5段階中3.5で、優待込みで長期保有を検討できる銘柄です。