いちご[2337]株情報(株主優待・配当・おすすめ情報)

いちご[2337]は、不動産と再生可能エネルギーを中心に事業を展開する、東証プライム上場の企業です。

安定した収益構造と株主還元への姿勢、そしてJリーグ観戦チケットというユニークな株主優待が特徴です。

ただし、株価の成長性や優待の実用性を総合的に見ると、今すぐ購入したいというほどの魅力にはやや欠ける印象もあります。

今回は、そんな「いちご」の株式について、長期保有を前提としたプロの目線で、じっくりと分析していきます。

目次

株式情報

いちご[2337]東証P
時価総額
約1,858億円

株価 417
※更新:2025年8月7日

いちご[2337]30年チャート

30年チャートを掲載

割安度安全度値動き傾向
PERPBR自己資本比率ROE信用倍率
11.0倍1.64倍27.29%14.09%5.21倍
優待&配当
総合利回り配当利回り優待利回り権利確定月優待最低取得額
2.76%~2.76%Jリーグの観戦チケット抽選のため試算不可2月、8月26,800円
編集部おすすめ度理由
収益の安定性や株主還元の姿勢に一定の評価ができる企業です。また、Jリーグ観戦チケットという独自の優待制度も魅力的です。しかし、株価の成長余地や優待の実用性を冷静に判断すると、今すぐ買う理由は乏しく、やや決め手に欠ける印象です。

株主優待情報

引用:いちご株式会社

株主優待の内容

いちご株式会社の株主優待は、「いちご Jリーグ株主・投資主優待」として、抽選でJリーグの試合チケットを入手できる制度です。

J1・J2・J3リーグの全クラブ・全試合が対象となり、応募すれば複数回の応募権が得られます。

応募は「いちごJリーグ株主・投資主優待サイト」から行い、応募期間中に1日あたりJ1、J2、J3それぞれ1試合への応募が可能です。

複数の試合に申し込むことも可能で、抽選結果は応募終了日の翌営業日に発表されます。

権利確定日と有効期限

いちごの優待は年2回、2月末日および8月末日を基準として権利が確定します。

応募の受付は、該当時点の株主名簿に記載されている株主が対象です。

応募可能期間は、権利確定日から4か月後の月初からスタートし、6か月間にわたって申込が可能です。

たとえば:

  • 2月末が権利確定の場合 → 6月1日〜11月末まで応募可能。
  • 8月末が権利確定の場合 → 12月1日〜5月末まで応募可能。

会社情報

引用:いちご株式会社

いちご株式会社は、「日本を世界一豊かに」という大きな夢を持っている会社です。

2000年3月に設立され、2002年11月に東証プライム市場に上場しました。

この会社の事業には、「心築(しんちく)」「クリーンエネルギー」「アセットマネジメント」の3つの柱があります。

「心築」は、古い建物や使われていなかった場所を、新しい価値が生まれるようにリノベーションしたり、耐震補強したりして、長く使える形にする取り組みです。

「クリーンエネルギー」は、不要になった土地などを使って太陽光発電や風力発電の施設を作り、環境に優しい電気を生み出す事業です。

「アセットマネジメント」は、J‑REIT(不動産投資信託)を通じてオフィスビルやホテル、発電所などを投資家の代わりに運営し、利益を還元する仕組みを提供しています。

代表的な子会社には、「いちご地所」「いちごECOエナジー」「いちごオーナーズ」「いちごマルシェ」などがあります。

これらの子会社は、建物の運営や再生可能エネルギー、投資商品の提供、地域活性化など、それぞれの分野で活躍しています。

いちごの社名は「一期一会(いちごいちえ)」という言葉に由来しています。

これは「一度きりの出会いを大切にする」という意味で、人とのつながりを重んじる会社の姿勢を表しています。

また、いちごはスポーツの世界ともつながっています。

とくにJリーグのトップパートナーとして活動し、サッカーの発展を支えるほか、ウエイトリフティングや陸上、テニスの選手を社員として支援していることでも知られています。

まとめると、いちご株式会社は、不動産やエネルギー、投資事業を通じて社会に役立つ「サステナブルインフラ企業」を目指している会社です。

資本金や従業員数など規模もしっかりしており、全国に多彩な子会社を展開している点も特徴です。

「一期一会」の精神を大切に、人や地域、環境を尊重しながら、豊かさと安心を提供する姿勢は、長期保有の投資家から見ても信頼につながる会社だと言えるでしょう。

編集部からのおすすめ情報

編集部のおすすめ:

株式情報にみる分析

いちご株式会社は、不動産を活用した安定収益をベースに、再生可能エネルギーやJ-REITの運用も手がける企業です。

収益の安定性や環境への取り組み、配当政策などを見ると、長期投資の観点では一定の魅力は感じられます。

ですが、現時点では購入を急ぐ理由が乏しく、他の銘柄と比較したときに「見送り」の判断も妥当だと考えます。

まず、いちごのビジネスモデルは、「心築」と呼ばれるリノベーション事業や、ストック収益中心の構造など、安定感があります。

不動産の賃料収入や発電による売電収益が継続的に入り、景気変動の影響もある程度吸収できる体制です。
この点は長期投資において安心感につながります。

しかし一方で、PERやPBRを見ると、決して明らかに割安という水準ではなく、過去と比較しても“ほどほど”のバリュエーションです。

業績の伸びも横ばい傾向で、大きな成長期待があるとは言いにくい水準にとどまっています。

そのため、株価が本格的に上昇する材料に欠けており、上値余地に対しては慎重に見ておく必要があります。

さらに、同社の収益は物件売却などのフロー収益に左右される場面もあります。

景気悪化や金利上昇の局面では、REITや不動産セクター全体に逆風が吹きやすく、将来的にリスクになる可能性があります。

そのような環境下で、いちごがどこまで粘り強く利益を確保できるかは、まだ未知数な面も残っています。

株主還元策としては、配当は安定しており、一定の利回りが見込めますが、優待や自社株買いを含めた総合的なインパクトは小さめです。

つまり、「利回りを目的に投資したい」と考えるには、やや物足りない印象があります。

まとめると、いちごは“悪くないけれど積極的に買いたいほどでもない”という評価に落ち着きます。

株価指標に特段の割安さがあるわけでもなく、今後の大幅成長も見通しづらい状況です。

このため、他により成長性や割安感がはっきりしている銘柄を優先し、いちごについては一旦「見送り」とする判断が合理的だといえるでしょう。

株主優待にみる分析

いちご株式会社の株主優待は、Jリーグの試合チケットを抽選で当ててもらえる仕組みです。

これは、J1、J2、J3すべてのリーグ、そして約1000試合すべてが対象になる優待です。

応募すれば、自分が見たい試合に申し込める可能性があるのが魅力です。

特に注目したいのは、1株以上持っていれば誰でも応募できる点です。

100株単位でなくてもよく、たとえば証券会社の単元未満株取引を使えば、比較的少ない投資金額で優待の権利が得られます。

これは、スポーツが好きな人にとってとても魅力的で、「お得だ」と感じやすい内容です。

とはいえ、「確実にチケットがもらえるわけではない」という点には注意が必要です。

これは抽選形式なので、人気の高い試合では当たる確率が低くなります。

J1の試合だと当選率はかなり低く、J2やJ3でも競争はあります。

つまり、「応募すれば観戦できる」というものではなく、「当たればラッキー」という性質の優待です。

それでも、近所にJリーグのチームがあるとか、家族や友人を誘って応援に行きたいという方には、十分に価値が感じられます。

手軽に応募できて、うまくいけば実際の観戦体験につながるのは大きな魅力です。

一方で、投資という観点で考えると、優待だけを目的にするには慎重になる必要があります。

なぜなら、当選は不確実であり、かつ応募や応募準備に手間やタイミングの注意が必要だからです。

そのため、優待を主目的に株を保有するのであれば、「自己負担は少しでも抑えたい」「長期的にじっくり持つことが前提」などの条件が重要になります。

また、優待の金銭的な価値がはっきりしない点もあります。

チケットの価格が一定ではなく、抽選の結果によっては実際に得られる価値がゼロのこともあるため、計算可能な「優待利回り」が出しにくい点は評価を難しくしています。

まとめると、いちごの株主優待はスポーツファンやサッカー好きにとっては楽しみのある制度です。

少額で応募権が得られ、当選すればチケットがもらえるチャンスがあります。

しかし、あくまで抽選形式であり、安定性や確実性を重視する投資家には、優待だけを目的に保有を続けるのはややリスクがあるといえるでしょう。

優待を楽しみながらも、本業や株価水準をしっかり見極めた上で、慎重に判断する姿勢が求められます。

総合評価

いちごは堅実な企業であり、すぐに業績が悪化するようなリスクは高くありません。

しかし、投資妙味という点では、「これといった決め手」に欠けるのが正直なところです。

優待も含めて全体的に“悪くないけれどすごく良いわけでもない”という印象に落ち着きます。

そのため、長期保有のポートフォリオに組み入れるにしても、「優先して買う銘柄」ではなく、余裕資金があるときに選択肢に入れる程度が妥当でしょう。

他にもっと成長性や利回りの面で魅力的な銘柄があるなら、そちらを優先する判断の方が合理的です。

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