第一屋製パン[2215]株情報(株主優待・配当・おすすめ情報)

第一屋製パン[2215]は、創業から70年以上にわたってパンづくりを続けてきた老舗メーカーです。

毎日の食卓に欠かせない「食パン」や「菓子パン」を中心に、全国のスーパーやコンビニへ商品を届けています。

株価は派手に動くタイプではありませんが、事業は安定しており、生活に密着した堅実な企業として知られています。

2025年には株主優待が再導入され、焼き菓子の詰め合わせが届くようになりました。

優待を通して会社のあたたかさを感じられる点も魅力で、長期で保有する楽しみがあります。

成長性よりも安定感を重視したい投資家にとって、落ち着いた安心感を与えてくれる1銘柄です。

目次

株式情報

第一屋製パン[2215]東証ST
時価総額
41.9億円

株価  605
※更新:2025年10月6日

30年チャートを掲載

割安度 安全度 値動き傾向
PER PBR 自己資本比率 ROE 信用倍率
9.3倍 0.52倍 51.0% 28.8% 7.52倍

優待&配当
総合利回り 配当利回り 優待利回り 権利確定月 優待最低取得額
0% 0% 焼き菓子の詰め合わせのため試算不可 12月 60,500円
編集部おすすめ度理由
急成長を狙うタイプではなく、生活に根づいた安定経営を続ける企業です。株価は長期的に落ち着いた推移を見せており、食品メーカーとしての信頼感が強みです。優待は実用的な焼き菓子セットで、派手さはないものの、毎年届く楽しみが長期保有を支えます。総合的に見ると、安定と誠実さを重視する投資家に向いた“守りの銘柄”です。

株主優待情報

株主優待の内容

第一屋製パンの株主優待は、**自社グループの焼き菓子詰め合わせ(1セット)**です。

保有株数は100株以上が条件で、進呈は年1回です。

優待再導入の正式発表は2025年8月14日で、内容は「子会社が製造する焼き菓子詰め合わせ」と案内されています。

内容の細目は毎年あらためて告知されます。

項目内容
優待内容自社グループの焼き菓子詰め合わせ(1セット)
必要株数100株以上
実施回数年1回
想定到着時期定時株主総会後に発送(目安:3月下旬以降)
参考2018年時点の優待はレーズンサンド詰め合わせの実績あり

優待の歴史として、過去にはレーズンサンド詰め合わせが届いた実績があり、内容は年により変わることがあります。現在の再導入後も「焼き菓子詰め合わせ」方針は同様です。

権利確定日と有効期限

権利確定は毎年12月末です。

12月末の最終売買日は取引所カレンダーにより変動するため、実際の購入タイミングは権利付き最終日を必ず確認してください。

項目内容
権利確定日12月末
有効期限品物送付型のため有効期限の概念なし(商品自体には賞味期限があります)

必要投資金額は株価によって変動しますが、直近株価ベースでは上表のとおりです。最新株価は証券サイトで随時確認してください。

会社情報

引用:ビッグカンパニー

第一屋製パンは、東京都小平市に本社を置くパンメーカーです。

創業は1947年で、東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。

社名のとおりパンが主力で、和菓子や洋菓子、クッキーなどもつくり、全国に出荷しています。

工場は小平、高崎、金町、大阪空港にあり、首都圏から西日本まで広く供給できる体制です。

営業所は横浜、新潟、名古屋、岡山などに置かれ、地域の小売店やスーパーに毎日届けています。

この生産と配送のネットワークが、朝に焼いたパンをその日のうちに売り場へ並べる力になっています。

同社のパンは「最寄り商品」で、身近なスーパーやコンビニに置かれているのが特徴です。

実際に取引先、つまり販売店舗は2万店規模にのぼり、日々の買い物の導線で手に取りやすいポジションを取っています。

この広い販売網は、メーカーとしての強みであり、安定した売上の土台になっています。

商品は食パンやロールパン、惣菜パン、菓子パンに加えて、お菓子カテゴリーまで幅広く展開しています。

看板的なシリーズとしては、りんごを使った「アップルリング」、一口サイズの「ひとくちつつみ」、大判の「大きなデニッシュ」、あんにこだわった「感動あんぱん」などがあります。

子ども向けの企画商品として「ポケモンパン」や「プリキュアパン」も展開しており、ファミリー層の集客に役立っています。

会社は品質と安全の取り組みを公表しており、原材料から流通までの管理を整えています。

また、生産現場では「DPS(第一パン生産システム)」という改善活動を続け、歩留まりやコストの改善を図っています。

こうした工場改善は、原材料高の環境でも利益を守るための重要な仕組みになっています。

歴史を見ると、同社は小売店とのネットワークを広げる方針を早くから取ってきました。

大量の店舗に広く届ける考え方は、現在のスーパー中心の販売にもつながり、今の広い販路の源流になっています。

編集部からのおすすめ情報

編集部のおすすめ:[review_stars3/5]

株式情報にみる分析

第一屋製パンの株価を30年スパンで見ると、はっきりとした三つの時期に分かれます。

1つ目は1990年代後半の急騰期です。

この時期は食品関連株に投機的な資金が流れ、同社株も一時的に数千円台まで買われました。

しかしその上昇は長続きせず、2000年にかけて急落し、その後はゆるやかな下降トレンドへ転じました。

2つ目は2005年から2015年頃の安定期です。

株価は1,000円前後で推移し、業績も横ばいでした。

景気に左右されにくい食品セクターらしく、上値は重いものの下値は限定的で、地味ながら堅実な動きが続きました。

3つ目は2016年以降の低位安定期です。

現在は600円前後で落ち着いており、30年チャート全体を俯瞰すると、高値圏から1/10以下まで縮小したあと、長期的に横ばいが続いているという形です。

これは、同社が成熟した安定企業として定着し、投資対象としての性格が「成長株」から「ディフェンシブ株」に変化したことを意味します。

このように長期で見ると、第一屋製パンは“上値の夢は小さいが、底が見えやすい”銘柄です。

株価の下支えとなっているのは、事業の安定性と財務の健全さです。

パンという生活必需品を扱うことで、業績は景気変動に強く、売上が急激に減るリスクが低い構造を持っています。

また、過去の減損処理や固定資産の整理を進めたことで、財務のスリム化も進みました。

これが長期的な安定の土台となり、株価の底堅さを支えています。

一方で、成長力という点ではやや物足りません。

人口減少と食市場の飽和により、パン業界全体の伸びが限られている中で、積極的な成長シナリオを描くのは難しい状況です。

企業としては安定・継続を重視する方向に舵を切っており、過去のような株価の大波は今後も起きにくいと考えられます。

その代わりに、安定した事業基盤と堅実な経営を評価する「長期保有型の投資家」にとっては、安心して持ち続けられる性格の銘柄です。

30年の値動きを俯瞰すると、直近10年は株価がほとんど横ばいで推移しており、いわば「成熟した安定銘柄の定常運転」に入った状態です。

ここから大きく上昇するには、利益率の改善やブランド価値の再構築など、内部体質の強化が不可欠です。

ただ、それが急速に進む可能性は高くなく、投資家は“値上がり益ではなく、安定性と優待を中心に評価する”視点が求められます。

30年の歴史から見れば、同社は波乱を経て安定へ至った企業であり、今の株価レンジは事業規模に対して適正な水準といえます。

過去に比べて投機的な資金は入らず、落ち着いた株主層が中心となっている点も、長期保有にはプラスです。

したがって、第一屋製パンを保有する意義は「大きな成長を狙う」よりも「変化の少ない業界の中で、安定を享受する」ことにあります。

この性格を理解して保有するなら、30年チャートが示すように、極端な下落リスクは小さく、安心して持てる銘柄といえます。

優待情報から見る投資おすすめ度と根拠

第一屋製パンの株主優待は、2025年に再導入が発表されたばかりの新しい内容です。

長く優待が休止されていた期間がありましたが、再び株主への還元を強化する姿勢を見せたことで、企業としての安定性と誠実さが感じられます。

内容は「自社グループの焼き菓子詰め合わせ」で、保有株数は100株から対象になります。

実際に届く商品は、子会社で製造されるクッキーや焼き菓子などで、同社のパンづくりと共通する“素材のやさしさ”や“手づくり感”を生かした商品が中心です。

量はそれほど多くありませんが、生活に身近な食品優待として満足度は高く、家族で楽しめる内容になっています。

優待の発送は年1回で、権利確定は12月末です。

日常的に利用する食品が届くタイプの優待は、使い道に迷うことがなく、食品メーカーの中でも人気が高いジャンルです。

その点で、第一屋製パンの優待は“実用性”と“安心感”の両方を持つものといえます。

ただし、優待の金額換算での利回りは高くありません。

しかし、注目すべきは「会社が長く個人投資家と関係を築こうとしている姿勢」です。

優待の再導入は、一時的なキャンペーンではなく、安定経営の中で株主との距離を近づける方針の表れと考えられます。

同社のように地味でも堅実に事業を続ける企業は、優待制度の継続が信頼の証になります。

仮に株価が大きく動かなくても、毎年届く優待がひとつの「継続保有の楽しみ」になり、長期的に見ると保有モチベーションを支える効果があります。

また、食品メーカーの優待は、景気が悪化しても生活必需品として需要がなくならない点が強みです。

旅行券や外食券のように景気で価値が変わりにくく、受け取る喜びが安定しています。

こうした「生活に根ざした優待」は、長期保有型のポートフォリオに組み込む上で安心感をもたらします。

一方で、同社は高成長を狙う企業ではないため、優待の拡充や金額増加を頻繁に期待するのは現実的ではありません。

むしろ、長く続けられる範囲で安定的に優待を維持していくことが、この会社の本質に合っています。

その意味では、第一屋製パンの優待は“派手ではないが誠実”という印象です。

毎年の楽しみを通して会社の姿勢に親しみを感じるタイプで、長期保有と非常に相性のよい内容といえます。

総合的に見ると、優待の魅力は金額面では中程度ですが、企業の信頼性と安定性が加わることで、心地よく保有を続けられる部類の優待株です。

総合評価

第一屋製パンの株価と事業の流れを長期で見渡すと、この企業がたどってきた道のりは「成長から安定への転換」といえます。

かつては株価が数千円まで上昇した時期もありましたが、2000年代以降は穏やかな推移に変わり、現在は600円前後の安定ゾーンに落ち着いています。

この30年間の動きから見ても、派手な値上がりを狙う銘柄ではなく、生活に密着した安定事業を基盤とする「守りの株」としての位置づけが明確です。

事業構造も堅実です。

パンや焼き菓子などの食品を全国に供給する仕組みを持ち、景気の変動に強いビジネスモデルを維持しています。

原材料高や人件費上昇などの外部要因には影響を受けますが、堅実な財務体質と長年築いた販路が、それを緩やかに吸収しています。

一方で、成長性や市場の注目度は高くありません。

人口減少や食市場の成熟化により、急速な売上拡大は見込みにくい状況です。

このため、投資判断では「利益成長よりも安定」を重視する視点が重要になります。

株主優待の再導入は、そうした安定型の企業としての信頼を示す出来事でした。

100株から参加できるシンプルな制度は、少額投資でも実感が得られる設計になっています。

届く焼き菓子は金額的に大きくありませんが、実用品であり、長期保有のモチベーションを支える“温かみのある優待”といえます。

特に、優待を通して企業姿勢に親しみを感じる点は、第一屋製パンの大きな魅力です。

株価の上昇余地は限られていても、優待を楽しみながら安心して保有できるという特徴が、この銘柄を支えています。

一方で、配当が実施されていない点は、長期投資家にとってやや物足りない部分でもあります。

今後、配当の再開や優待内容の拡充が進めば、株主還元の評価はもう一段上がる余地があります。

とはいえ、現時点でも株主との関係を大切にする姿勢が見られることから、企業としての安定性は高く、安心感を求める投資家に向いています。

総合的に見て、第一屋製パンは「リターンよりも信頼を重視する長期保有銘柄」です。

大きく化ける期待は少ないものの、生活に根づいた堅実な企業としてポートフォリオに落ち着きを与えてくれます。

高成長株を追うポートフォリオの中で、安定バランスを取る“守りの要”として保有するには十分な価値があります。

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