山崎製パン[2212]情報(株主優待・配当・おすすめ情報)

山崎製パン[2212]は、コンビニやスーパーでおなじみのパンや和洋菓子を手がける国内最大の製パンメーカーです。

毎日の朝食やおやつで見る商品が多く、生活にとても身近な“日常密着型”の銘柄といえます。

ロールパンや食パン、ランチパックのような調理パンに加え、グループ会社の不二家やヤマザキビスケット、東ハトなども擁しており、菓子やスナックまで幅広いブランドを展開しています。

食品の中でも特に「なくては困る」カテゴリの商品が中心なので、景気に左右されにくいのが特徴です。

この記事では、山崎製パンの株式の特徴とおすすめ度について解説させていただきます。

目次

株式情報

山崎製パン[2212]東証P
時価総額
7,104億円

株価 3,225
更新:2025年11月18日終値

山崎製パン[2212]30年株価チャート

30年チャートを掲載

割安度 安全度 値動き傾向
PER PBR 自己資本比率 ROE 信用倍率
16.3倍 1.48倍 49.3% 9.0% 8.74倍
優待&配当
総合利回り 配当利回り 優待利回り 権利確定月 優待最低取得額
1.64% 1.55% 0.09% 12月 3,225,000円
編集部おすすめ度理由
生活に密着したパン・菓子事業を展開する安定企業で、財務も堅実。株価指標は割安とまではいかず中庸レベルですが、ディフェンシブ性は高めです。優待は実用的なお菓子詰め合わせながら投資金額は重めで、総合評価は10段階中6。『守りの食品株を1つ入れたいパン好き投資家向け』の銘柄と言えるでしょう。

株主優待情報

引用:山崎製パン IRページ

山崎製パンの株主優待は、毎年12月末時点で1,000株以上を保有している株主に、自社グループ製品3,000円相当が贈られる仕組みです。

いわゆる「お菓子の詰め合わせ」タイプの優待で、家族でシェアしたり、おすそ分けにも使いやすい内容になっています。

株主優待の内容

優待品の内容は年によって多少変わりますが、2024年12月期の実績では、カステラ(5枚スライス)、フルーツケーキ(5個入)、ショコラケーキ(5個入)、山崎謹製水ようかん(4個入り)といったラインアップでした。

いずれも長年愛されている定番商品で、日持ちがするため慌てて食べきる必要がなく、ゆっくり楽しめるのがポイントです。

届く箱もそれなりに大きく、「優待が届いた」という実感を得やすいタイプの優待といえます。

なお、優待がもらえるのは1,000株以上の保有者のみで、1,000株を超えても内容がグレードアップするわけではありません。

そのため、優待目的であれば基本的には1,000株ちょうどの保有が前提になります。

食品優待としては金額は控えめですが、商品の知名度と使い勝手の良さから、長年ファンが多い優待です。

権利確定日と有効期限

権利確定日は毎年12月31日で、12月末の基準日時点で1,000株以上を保有していれば、その年の優待の権利を得られます。

保有期間や長期保有特典といった条件はなく、その年の基準日に保有しているかどうかだけが判断基準です。

優待品の発送時期は、例年4月ごろです。

優待案内ハガキなどはなく、いきなりゆうパックなどで現物が届くスタイルなので、保有していることを忘れていると、ちょっとしたサプライズになります。

食品そのものには賞味期限がありますが、箱ごとに期限がわかりやすく印字されているため、期限内に無理なく食べ切れる範囲に収まっています。

まとめると、「12月末に1,000株以上を保有していれば、翌年春にお菓子の詰め合わせが届く」という非常にシンプルな設計です。

長期保有による内容アップなどは現状ありませんが、その分ルールが分かりやすく、初心者でも把握しやすい優待制度といえます。

会社情報

引用:山崎製パン 公式サイト

山崎製パン株式会社は、日本を代表する製パンメーカーであり、パンや和洋菓子、調理パンを中心に、全国のスーパーやコンビニ、ドラッグストアなどへ商品を供給しています。

本社は東京都千代田区にあり、国内には27か所の工場を構え、そこから全国各地の販売網へ毎日商品を届けています。

工場と物流網を自前でしっかり整えていることが、同社の大きな強みです。

同社の歴史は戦後間もない小さなパン屋から始まり、「安全でおいしいパンを安定して届ける」という思いのもとで事業を拡大してきました。

今では食パン、ロールパン、菓子パン、惣菜パンなど、朝食から昼食、おやつまでカバーする豊富な商品ラインアップを持ち、国内のパン市場でトップクラスのシェアを誇ります。

グループ企業には、不二家、ヤマザキビスケット、東ハト、ヴィ・ド・フランスなど、誰もが一度は見たことのあるブランドが多数含まれています。

不二家のケーキやペコちゃん、東ハトのキャラメルコーン、ヤマザキビスケットのルヴァンシリーズなど、菓子・スナックの世界でも存在感が大きいグループです。

ベーカリーカフェ事業では「ヴィ・ド・フランス」や「デリフランス」などのブランド名で全国に約230店舗の直営・FC店を展開しており、焼きたてパンをその場で楽しめる場も提供しています。

さらに、コンビニエンスストア事業として「デイリーヤマザキ」「ニューヤマザキデイリーストア」などを全国に1,300店舗以上展開しています。

コンビニとして商品を販売するだけでなく、自社の商品をどう棚に並べると売れるのかを自ら検証できる“実験の場”としての役割も果たしており、グループ全体の商品開発やマーケティングに活かされています。

直営店やコンビニ店舗以外にも、病院内の売店や大学構内の売店、駅ナカのショップなど、多様な販売チャネルを持つ点も特徴です。

有価証券報告書では、グループ全体で10万店舗を超える販売拠点と取引しているとされており、これは「どこに行ってもヤマザキの商品がある」状態を支える土台になっています。

事業面では、主力の「製パン・和洋菓子事業」に加え、「流通事業(コンビニ・ベーカリーカフェなど)」も重要な柱として位置づけられています。

パンやお菓子は単価がそれほど高くないため、大量生産と効率的な物流が収益性のカギになりますが、同社は長年の経験と規模の強みを活かしてコスト削減と品質維持の両立を図っています。

昨今は小麦価格やエネルギーコストの上昇、人件費の増加など、食品メーカーには逆風も多い環境です。

山崎製パンも原材料高の影響を受けながら、価格改定や生産体制の見直しを進めることで利益の確保に努めています。

それでも日常食としての需要が底堅いため、売上自体は安定した推移を続けているのが現状です。

編集部からのおすすめ情報

編集部のおすすめ:

株式情報にみる分析

山崎製パンの株式を長期目線で眺めると、「大きくは崩れにくいが、派手には伸びにくい」典型的なディフェンシブ銘柄という印象が強いです。

30年チャートを見ると、2014年頃と2023年に大きく株価を伸ばし、現在は調整相場です。

直近数年は4,000円台の高値をつけたあと、3,000円前後のレンジに落ち着いており、「急騰と急落を繰り返すボラティリティの高い銘柄」とは性格が異なります。

現在の株価水準を代表的な指標から見ると、PERは食品株としてはやや高めで、PBRもほどほどの水準に位置しています。

「明らかな割安」とまでは言えない一方で、極端な割高感もありません。

投資家からは、安定性とブランド力に一定のプレミアムが乗って評価されている状態といえます。

財務面では、自己資本比率が十分に高く、借入金に過度に依存しないバランスシートを維持しています。

ROEも食品メーカーとしては平均以上で、資本に対してきちんと利益を出せている水準です。

倒産リスクや極端な減配リスクを過度に心配する必要は小さく、長期保有の“安心感”は比較的高い銘柄です。

一方で、成長性の面ではやや物足りなさもあります。

国内のパン市場は成熟しており、大きく伸びる余地は限られています。

同社も新商品開発や高付加価値商品の拡充、コンビニ事業のテコ入れなどで売上と利益の上積みを目指しています。

さらに、原材料である小麦や砂糖、エネルギーコスト、人件費の上昇といった外部要因の影響を受けやすく、利益率を守るためには定期的な値上げや生産性向上の取り組みが欠かせません。

この点は近年の食品業界全体のテーマであり、山崎製パンも例外ではありません。

コスト高が長期化する局面では、利益の伸びが頭打ちになりやすい点は、長期保有を考える際に意識しておきたいポイントです。

信用倍率はやや買い残が多い状態で、短期的には個人投資家の期待がやや先行している印象もあります。

ただし、日々の値動きはマイルドで、過度な投機的売買が集中している銘柄とは性質が異なります。

短期トレードで大きな値幅を狙うというより、「生活防衛的なポジション」としてじっくり持つイメージが近いでしょう。

配当利回りは高配当株と比べると控えめで、「配当だけを目的に選ぶ銘柄」ではありません。

ただし、業績に応じて配当水準をジワジワと引き上げてきた実績があり、極端な減配を繰り返すような企業ではない点は安心材料です。

株主還元よりも事業の安定性と継続性を重視する、いかにも老舗食品企業らしいバランス感覚の配当政策と言えます。

総合的に見ると、山崎製パンは「絶対にポートフォリオに入れておきたい主役級の成長株」というより、「守りと生活密着性を兼ね備えたサブポジション候補」という立ち位置です。

食品ディフェンシブ枠をどこで埋めるかを考える中で、ヤマザキブランドへの親しみやすさや、優待との相性も含めて検討するのが良さそうです。

優待情報から見る投資おすすめ度と根拠

山崎製パンの株主優待は、内容そのものはとても魅力的ですが、投資金額とのバランスを考えると評価が分かれるタイプです。

まず良い点として、優待品の実用性が非常に高いことが挙げられます。

カステラやケーキ、水ようかんなどはどれも日常的に食べやすく、家族構成を問わず喜ばれやすいラインアップです。

また、日持ちする商品が中心なので、買い物の手間が減る「生活防衛的なメリット」もあります。

パン・お菓子系の優待は嗜好性が高い一方で、同社の優待はクセが少なく、ほとんどの家庭で無駄なく消費できる内容になっている点は、長期保有との相性が良いポイントです。

毎年春になると箱が届き、「今年も1年持ち続けてよかった」と実感できるタイプの優待とも言えます。

一方で、デメリットとしてまず最初に挙がるのが「1,000株から」というハードルの高さです。

現在の株価水準だと、優待をもらうために必要な投資金額は300万円台となり、個人投資家にとっては決して軽い金額ではありません。

優待の金額は3,000円相当なので、金銭的な優待利回りだけを見るとかなり控えめな部類に入ります。

つまり、この銘柄の優待は「利回りで元を取る」タイプではなく、「生活に馴染む楽しみ」として受け取るタイプです。

パンやお菓子が好きで、ヤマザキブランドに愛着がある人ほど満足度が高くなりやすく、逆にそこまでこだわりがない場合は、他社の高利回り優待の方が魅力的に映るかもしれません。

優待の価値が人によって大きく変わる点は意識しておきたいところです。

長期的な視点では、優待の継続性も重要です。

山崎製パンは長年にわたり同様の優待を続けており、内容も大きく改悪された例は見られません。

食品メーカーの中には景気次第で優待を縮小・廃止する企業もありますが、同社の場合は企業規模と財務体質を考えると、現時点では優待継続の信頼度は比較的高いと考えられます。

ただし、将来にわたって絶対に安心というわけではなく、原材料高や物流費の上昇が長期化すれば、コスト削減の一環として優待見直しが行われる可能性はゼロではありません。

その意味では、「優待はあくまでおまけで、企業そのものを応援したいかどうか」で判断するスタンスが望ましいでしょう。

優待だけを目当てにフル投資する銘柄ではない、という意識を持っておくことが大切です。

総合的に見ると、山崎製パンの優待は“お金というより楽しさと安心感をもらうタイプ”の優待です。

投資金額に対するリターンだけを見ればインパクトは小さいものの、毎年確実に届き、家族でおいしく消費できる優待は、長期保有のモチベーション維持に役立ちます。

総合評価

株式の安定性とブランド力、そして実用的な優待という3つの要素をあわせて考えると、山崎製パンは「長期ポートフォリオに入れても良いが、必須ではない中堅ポジション」という立ち位置になります。

ディフェンシブな食品株を組み込みたい人や、ヤマザキブランドへの愛着が強い人には魅力がありますが、利回り重視・成長重視の投資家にとっては、優先順位は少し下がるかもしれません。

「守りの食品株を1つ入れたい」「毎年ヤマザキのお菓子が届くとちょっと嬉しい」と感じるなら、ポートフォリオの一部として検討する価値は十分にありますが、投資予算に限りがある場合は、他の高配当・高成長銘柄とのバランスを見ながら慎重にポジションサイズを決めたいところです。

最終的には、数字だけでなく「自分や家族の生活にどれだけ馴染む企業か」という感覚も含めて判断すると、山崎製パンらしい投資の楽しみ方ができるでしょう。

パンとお菓子が好きな人にとっては、長く付き合うパートナー候補になり得る銘柄です。

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